おひとりさまの終活

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高齢者のおひとりさまが年々増加傾向にあります。未婚率の高まりなどでこれからも増え続けるでしょう。高齢者の独り暮らしは心配事が多く、特に家族や親族がいない人にとっては不安な事が多くなります。おひとりさまで終活を考えている人は、どのような準備が必要なのでしょうか。

 

 

おひとりさまの死後準備

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一人暮らしである日突然亡くなっても遺品整理はしてくれません。自治体事のルールに従って火葬をして、合祀の墓に納骨はしてくますが、遺品整理は遺族がすることになります。おひとりさまの場合は、頼れる遺族がいない為、あらかじめ専門業者に依頼するケースもあるでしょう。

 

専門業者は、お金を支払えば遺族に代わってサポートしてくれます。金銭的に余裕がある人は利用を検討したくなりますが、中には悪質な業者もありニュースで耳にすることもあります。利用する時は、悪質な業者に注意が必要です。

 

最近では、自治体が死後に不安を抱く人を対象にしたサービスを開始しています。葬儀や墓、延命治療の意思など調査し、最適なアドバイスをしてくれます。このサービスはまだまだ少ないですが、全国的に広がりを見せています。

 

おひとりさまの終活のひとつ、死後の準備を考えましょう。人に迷惑を掛けないようにするには以下の準備が最低限必要です。

 

・世話になる人を探しておく

・住んでいる場所の処分方法やオーナーさんへの対応

・遺言書を書く

・遺品整理や葬儀費用などの資金を用意する

・お墓を決めておく

 

これらの事を決めておき、万が一の時に誰が見てもわかるようにエンディングノートなどに書いておくといいでしょう。金銭的に余裕が無く不安な人は、早い段階で住み替えや保険の加入も必要です。終活は早めにはじめて、無理なく進めていくことが肝心です。

 

おひとりさまのお墓

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先祖代々のお墓がある人は問題ありませんが、入るお墓が決まっていない人は生前に決めておく必要があります。最悪の場合、自治体で決められたお墓へ入ることもできますが、終活を考えている人は予算を決めてお墓を購入しておくと安心です。

 

最近ではさまざまな弔い方があり、高額なお墓を購入をする必要が無くなりました。合祀の墓で良ければ安価で永代供養してくれます。自然に還りたいなら樹木葬や海洋散骨、リーズナブルに利用できる納骨堂もあります。

 

自由にお墓を選べるようになってきたので、自分の理想に近いスタイルで供養してもらうことができます。おひとりさまに最適なお墓は、生前契約ができるタイプです。あらかじめお金を支払っておけば、亡くなった後に埋葬してもらえます。

 

おひとりさまの終活セミナー

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おひとりさまをターゲットにした終活のセミナーは、全国各地で行われています。エンディングノートの書き方やお金の話、老人ホームの事など、テーマを選んで申し込むことができます。

 

専門的な話が聞けるので大変役に立ちますが、ここで気を付けたいのが個人情報です。セミナーに参加する時に、住所や氏名など書かされることがあります。悪質な主催者ですと、個人情報を狙ってセミナーを開催しているケースもあります。セミナーに参加する時はくれぐれも注意しましょう。

 

おひとりさまの生前契約

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これから紹介する生前契約は、終活の意識が高まり利用する人が増えています。「任意後見契約」「任意代理契約」「死後事務委任契約」「遺言書」は一連の流れになるため、同じ人に任せるのが一般的です。これらの契約は公証役場で行われます。 

任意後見契約

年を重ねておひとりさまになった時、将来認知症などで判断能力が無くなった場合、財産管理や契約など正しい判断をすることができなくなります。このような状態になった時は、法律で定められている「成年後見制度」を使うことができます。

 

成年後見制度には「任意後見制度」と「法定後見制度」があります。任意後見制度は、認知症になった時、後見人になってもらいたい人を本人が選び、公証役場で任意後見契約を締結します。

 

おひとりさまの老後に不安を感じている人は、将来を見越して事前に公証人役場で信頼できる人と任意後見契約を結んでおくと安心でしょう。

 

実際に認知症の症状が見られるようになったら、家庭裁判所に申し立てをします。家庭裁判所が選任した任意後見監督人が、任意後見人の仕事をチェックし、任意後見契約で定められた財産管理などを行います。

 

「任意後見制度の費用」

・公正証書の作成手数料11,000円

・登記嘱託手数料1,400円

・登記所の印紙代2,600円

 

任意代理契約

任意後見制度は、認知症が発症したら使える契約です。認知症かどうかの判断は第三者に託されますから、一人暮らしの場合は正常な判断をしてくれる人を探しておく必要があります。

 

任意代理契約は、正常な判断ができる人に委託をして代理権を付与する委任契約です。病気で体が不自由になった時にサポートを受けたり、日常の計算管理をしてもらう事もできます。代理権の内容は自由に決めることができるので、困っていることをサポートしてもらいましょう。

 

ここで気を付けたいのが、任意代理契約は代理人を監督するのはあなた自身です。代理人の仕事をきちんと確認する必要があります。信頼できる人に委託をすることが前提になり、第三者のチェックが必要になります。

 

死後事務委任契約

おひとりさまの死後は、本人が亡くなった後に行われる葬儀や遺品整理をお願いすることができます。死後事務委任契約は、司法書士や行政書士に依頼する事もできますから、お付き合いのある専門家を利用する事もできます。

 

死後事務委任契約を委任すると、行政官庁への届け出や医療費などの清算、永代供養に関する業務など、さまざまな手続きをしてもらえます。信頼できる専門家へ願いをする時は、生前に預託金100万~150万円を支払っておきます。

 

死後には山のような手続きがあるので、終活で死後事務を減らすようにしておき、第三者が見てもわかりやすくしておく必要があります。

 

遺言書

財産をどのように配分するかを指定するのが遺言書です。死後事務委任契約を結んでいても、債権の支払いや不動産の売却は勝手にすることができません。おひとりさまの死後事務委任契約の場合は、公正証書遺言書があるとスムーズに行えます。終活で遺言書を作成する時は、法的効力が高い公正証書遺言書にしましょう。

おひとりさま孤独死に備える

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おひとりさまが一番気にするのが孤独死でしょう。亡くなった後に誰かに迷惑を掛けたくないと思って心配します。

 

もし、孤独死をしてしまったら、発見された段階で警察が現場検証をします。身元確認されると家族の調査が行われます。この時、親族が見つかっても遺体を拒否される事が多いそうです。親族が遺体を引き取った場合は葬儀などを行いますが、遺体を引き取らない場合は、自治体のルールに従って火葬され合葬されます。

 

おひとりさまが賃貸を借りていた場合は、原状回復が必要になります。汚染がひどい場合は清掃費用がかさみ連帯保証人が負担する事になります。おひとりさまが孤独死をしてしまうと多くの人に迷惑を掛けてしまうので、なるべく社会との結びつきを経たないことです。

 

連絡できる友人を持つことや、行きつけの店をつくったり、習い事をするのも良いでしょう。人と関わるのが苦手なら、新聞や牛乳配達を利用するのもひとつの手です。金銭的に余裕があるのなら、警備会社の見守りサービスを利用しても良いでしょう。万が一の時に少しでも早く発見してもらえるように、自分にあったスタイルを見つけておきましょう。

おひとりさまの終活に役立つ本

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おひとりさまの終活

おひとりさまの終活で、何から始めて良いのかわからない人の為のガイドブック。60歳からの就活やお金、介護、家のこと、知りたかった情報が集約されています。おひとりさまが不安に感じることをひも解いていきます。読み終わった後は、安心して死を迎えられる気持ちにさせてくれます。

 


おひとりさまの終活―自分らしい老後と最後の準備

 

おひとりさまの死後事務委任

不安が多いおひとりさまの老後、利用できる制度を詳しく知って活用する事ができます。難しく感じる「成年後見」「身元引受」「遺言」「信託」「死後事務委任」についてわかりやすく解説しています。これから終活を始める人必見です。

 


おひとりさまの死後事務委任