ビックリ!日本では考えられない世界の葬儀

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日本では火葬しか認められていませんが、世界の葬儀は実にさまざまです。宗教によって葬儀に対する考え方が違い、日本では考えられないような弔い方が行われています。世界で行われている特徴的な葬儀を見ていきましょう。

 

インドの葬儀

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インドではヒンドゥ教徒が人口の約8割を占めており、輪廻や解脱の宗教思想があります。人は死ぬと肉体から魂が解放され、現世の業が来世での再生形態となり解脱しない限り永遠に継続すると考えられています。

 

インドは、日本と同じ仏教ですが、考え方に違いがあります。日本はどちらかと言うと独自の文化が発達した形で、お布施やお墓などお金をかけて弔うやり方です。インドでは金銭的な弔い方はせず、宗教思想を色濃く受け継いでいます。

 

インドでは人が死ぬと、体から魂が抜けて輪廻すると考えられています。火葬された死体からは魂が抜け、空高くのぼって月に到達します。現世の行いにより解脱できる魂は輪廻の環を断ち切り、解脱できない魂は地獄で苦しみ、再度空中へ行き雨になり大地へ降り注ぎます。

 

大地へ吸収された雨水は植物を大きく成長させ、やがて人間や動物の体内に入ります。そこで新たな生命が誕生し、輪廻の一環になると考えられています。

 

インドはカースト制を大切にしているので、葬儀の形は地域やカーストによって違いがありますが、人が亡くなるとガンジス川で火葬されることになります。ガンジス川のほとりには火葬場があり、毎日300体ほどの遺体が運ばれてくるヴァーラーナシーはとても有名です。ここの火葬場の火は3000年もの間燃え続けており、神聖な場所とされています。

 

インドでは、ユダヤ教やキリスト教のように遺体を保存しません。使い古した肉体から魂を開放するために火葬します。屍布に包まれた遺体は順番を待ち、洗い清められて焼かれます。遺体に触れることができるのは、カーストの下層クラス人だけです。火葬場には女性は入れないため男性だけで行われます。

 

火葬場では泣く人の姿はなく、おしゃべりをしながら笑いがあります。観光客も多く、日本の火葬場の雰囲気とは大きく異なります。インドでは亡くなってから24時間以内に火葬しなければならないルールがあります。年間約900万人の人が亡くなるため、薪を使った火葬方法以外にも、便利な電気やガスの火葬手段も取り入れられています。

 

火葬が済んで残った遺骨や灰は、ガンジス川や貯水池に流されます。お金の無いカーストは木材が買えない為、牛糞を使って焼いたり火葬できない階級の人は遺体を川に流すと言います。火葬場の向こう岸ではガンジス川で沐浴する人も見られる、日常的な場所で火葬されます。

 

チベットの葬儀

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チベットには世界的に有名なチベット高原があり、中北の南西部を閉まる自治区域です。この地域ではチベット仏教の旗が点在し修道院もあります。チベット地域に住んでいるチベット族は独自の文化をもち、葬儀にも特徴があります。チベットでは5つの葬儀方法「塔葬」「火葬」「天葬」「水葬」「土葬」があります。

塔葬

5つの葬儀の中で最も名誉のある方法で、霊塔葬とも呼ばれ生き仏と崇められる人や位の高い貴族に行われる葬儀です。ダライラマやパンチェンラマも塔葬され、遺体は乾燥か火葬されて遺骨や灰を冷凍の中に収めて弔われます。霊塔は、金銀の宝石で施された豪華な塔になっています。

 

塔葬は、遺体を香料の入った水薬で清めて宝壇に座らせます。信者たちは、バター油を灯して参拝しハタを奉げます。遺体に塩をかけてミイラになるまで繰り返します。ミイラ化したら顔の部分に泥を塗り、顔の形を保存します。顔型で模型をつくり生き仏となる堕像を完成させ、寺院と仏殿の中に納めます。

 

遺体には豪華な服を着せて帽子をかぶらせ、番紅花と香料をかけます。最後に霊塔に入れて信者たちは拝みます。

火葬

火葬は、地位と業績のある僧侶が行う葬儀です。チベットでは一般的なお葬式です。高位高官や高僧が息を引き取ると火葬が行われます。火葬する時は、バター油を使って燃やされてお経を唱えながら見送ります。

 

遺骨や遺灰は、高僧の場合は土と混ぜて「骨擦」を作って仏塔の中に入れます。一般人の場合は、高い山の上から大きな川に散骨します。

天葬

チベットに住んでいる一般人は天葬が行われ、遺体をハゲワシに食べさせます。鳥葬とも呼ばれ、取りに食べされることによって天に還ると考えられています。天葬をする時は、専門職の人が遺体を解体し鳥葬台の上に置き鳥に食べてもらいます。

 

天葬は専門職の人が執り行うので費用がかかります。一般人でも比較的裕福な人がこの葬儀を利用します。

水葬

チベットで水葬を利用する人は、経済的に厳しい人が多く、伝染病で亡くなった人が多いです。また、天葬ができない地域に住んでいる人も水葬を利用します。水葬は遺体を水の中に入れて魚に食べてもらいます。水葬をする地域では、魚を食べる習慣がなくこの葬儀が行われます。

土葬

チベットで土葬される人は、強盗や殺人などの犯罪者や感染病、交通事故、自殺で亡くなった人に行われます。土葬は魂が土に還り成仏できないと考えられている事から、あまり良い方法ではない弔い方です。

ノルウェーの葬儀

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ノルウェーでは、土葬と火葬の埋葬が一般的です。現在では火葬が多くなりました。1957年には、埋葬法改正で匿名性の共同墓地が認められるようになりました。匿名性の高い共同墓地は「ミンネスルンド」と呼ばれ、1980年代ごろから急速に多くなりました。ミンネスルンドに埋蔵する時は、遺族や友人が立ち会うことはできません。

 

1人分の位牌に対して1つの穴を1列掘ります。そこへ遺灰を埋めます。遺族には埋葬する日時や場所は知らされません。墓地管理公社には埋葬台帳が用意され、遺灰を遺灰を埋めた日時を記録します。

 

ここを利用する人は、事前に本人が親族と相談して決めています。利用した遺族は、納得して利用しているため9割以上が満足しており、再度利用したいと考えています。

 アフリカ

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アフリカのマサイ族は、大地に墓を建てるのは良くないと考えており墓をもたない主義です。人が死んだら自然に還すと言う考え方が主流で、遺体を放置してハイエナなどの動物に食べてもらう獣葬が行われます。

 

動物に食べてもらう時は、食べ残しがあると不吉なので、遺族は遺体に血や脂肪を付けます。しかし、最近ではマサイ族もキリスト教やイスラム教徒が多くなり、獣葬をする人が減ってきています。