墓石について

 

 


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終活をする時、お墓について悩む人が多いでしょう。最近のお墓は、さまざまなスタイルが多くあり、自分好みの形で埋葬してもらえます。ここではお墓に使う石について解説をします。

 

 

お墓選び

 

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お墓参りに行くと様々な墓石を目にします。一般的には和型と呼ばれる墓石と墓標が多く見られますが、洋型タイプやオーダーをして作れるデザインタイプもあります。

 

これからお墓を建てたい人は、後悔の無いように選びたいです。お墓を建てるには墓石選びから始めます。国内外で産出される石材は300種類以上もあります。

 

墓石の種類によっては、安定供給されているものもあれば、希少価値の種類もあります。国内外の墓石の種類を解説します。

 

国内産の墓石

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国内で石材を算出している地域は、福島県、茨城県、香川県、岡山県、愛媛県が有名です。日本国内には多くの採石場があり、昔の人は地元の山から採石してお墓を建てていました。

 

現在は、物流が発展し遠く離れた地域でも手に入れやすくなっています。国内の代表的な石の種類を見ていきましょう。

香川県「庵治石(あじいし)」

香川県は良質な石材が採石できる県で、庵治石は最高級石材として知られています。日本三大花崗岩として数えられ、世界でも花崗岩のダイヤとして高く評価されています。

 

グレー系の色をしており、墓石に多く使用されています。大変硬い石で水晶に匹敵します。この石が採石される場所は、複雑に入り組んだ地層が特徴です。製品にできる部分はわずか3%しかなく、大変希少な石と言われています。

 

庵治石の最大の特徴は浮かび上がる「斑(ふ)」と呼ばれる紋様です。磨き上げるほどに斑の濃淡が浮き出てきます。紋様は「細目」「中細目」「中目」に分類され、細目が最高級品とされています。

 

庵治石は、数多くの種類や等級があり細分化されています。一番安価な墓石でも100万円ほどし、最高級品を使ってお墓を建てると300~400万円します。

 

愛媛県「大島石」

西日本地域では古くから愛されている石で、青みがかった青磁の輝きを放ちます。他の石と比べると気品のある輝きで見る者を圧倒します。墓石に使用しても退色のトラブルが少なく長い年月を重ねても品質が劣化しません。

 

墓石として使用するとおよそ100万~300万円程度するでしょう。中には品質の悪い大島石をいったん中国へ輸出して、特殊な薬品で加工をしてごまかして販売する場合もあります。信頼できる所で購入しましょう。

 

岡山県「万成石(まんなりいし)」

万成町で採石される淡い紅色をした石です。優しい印象を与える石ですから、墓石以外にも明治神宮外苑の絵画館や新宿の伊勢丹ビルなどに使用されています。霊園に行くと実際に使用している墓石を見ることができるポピュラーな石です。

 

万成石は非常に硬く頑丈です。吸水性も低いことから墓石に向いています。見た目の美しさと品質の良さが人気の秘密です。

 

神奈川県「本小松石(こまついし)」

神奈川県真鶴町で採掘される歴史ある石です。源頼朝の墓石にも使用され古くから愛されていました。本小松石は、約40万年前の箱根火山の噴火によって流れ出た溶岩が海で冷やされたことで作られました。

 

耐久性や耐火性があり、墓石に向いている石質が特徴です。花崗岩と違って大きな石が少なく大変希少な石です。長い月日が過ぎると時間と共に石の色も変化していきます。庵治石と並び、日本最高級の墓石としてランク付けされて販売されています。

 

福島県「浮金石(うきがねいし)」

関東エリアでは代表する最高級の国産墓石です。国内で産出される御影石は、非常に少なく希少です。黒色をしており、金箔や白の斑が浮かぶ上品な色合いが特徴です。平成天皇の御成婚記念の噴水や、沖縄県戦没者慰霊碑に使用されています。存在感のあるお墓を建てたい人に好まれます。

 

海外産の墓石

 

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海外産の墓石は、何といっても安価でお墓を建てられる事です。お墓のチラシで、「お墓一式〇〇円」と表記された安価なものは海外産の石が使われています。手頃な値段でお墓を建てたいと考えている人は、海外産の墓石を使うと良いでしょう。

 

中国「新八光(しんはっこう)」

中国の福建省厦門市内から離れた所で採石されています。海に面した所で採石されている為、輸入コストが安く安価で購入する事ができます。日本でも多くの墓石に使用されていますが、現在は丁場がストップしています。将来的には湾岸施設のコンテナヤードになる予定だと言われています。

 

購入する人は、そのような事情も踏まえてメンテナンスに関する保証を確認してから購入しましょう。

 

石の素材はピンク色の結晶が混ざっている中目石。錆にも強く経年劣化が少ない石です。国産の稲田石とよく似ている事から、新稲田や稲桜とも呼ばれています。墓石の他には、キッチンのワークトップや洗面台に使用されています。

 

中国「K-12」

中国黒竜江省で採石される御影石です。店頭では「K-12高級白御影石」というような表示がされています。とても高級感のある石に感じますが、国産の石と比べると品質が落ちます。

 

国産の御影石と比べるとツヤが早く落ちてしまうため、ツヤを保つ薬剤を塗布する必要があります。薬剤が塗布されている墓石は人体に悪影響を及ぼすことが考えられます。

 

外国産の墓石は薬剤を塗布しているものが非常に多いです。よく確認してから購入すると良いでしょう。また、この墓石は傷が付きやすいとも言われています。見た目は日本製の御影石と変わりませんが、品質は劣るでしょう。

 

インド「クンナム」

南インドのタミルナドゥ州クンナム村で採石されています。地域柄とても硬くて良質な岩石が採れる場所として知られています。1970年頃から日本に輸入されており、高級な黒い石として人気があります。

 

吸水性が低く硬度があり、耐久性に富んでいる事から長期的に使用するお墓の石として最適です。国産の石と比べて安価で購入できることから人気があります。

 

インド「アーバングレー」

インドのカルナタカ州で採石されるグリーン系グレー色をしている墓石です。高級感のある光沢で、一見すると白御影石のようにも見えます。等級が上がるほど濃い色をしており、模様が細かいことから経年劣化も目立ちにくいです。

 

とても硬質で変質することも無く長期的に安定して使えます。吸水性が高い為、寒冷地での使用にも適しています。価格は比較的手ごろで人気があります。

 
スウェーデン「ボナコート」

スウェーデン原産の黒御影石です。現在墓石に使用されている黒御影の中ではスウェーデン産が最高級品と言われています。ボナコートは、目が粗い種類な為比較的安価で手に入るでしょう。比重や硬度、吸水率どれも世界一の石材です。

 

しかし、石によっては品質が悪い為薬剤を塗布してごまかしている事があります。品質の悪い石を購入してしまうと数年で色が抜けてしまったり、サビが出てくることがあります。素人では見た目で判断する事は難しいので注意しましょう。